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特別棟は、本館とは全く別だった。
しーんと静まり返っていて、走る足音が廊下中に響き渡る。
その不気味さに視線を落ち着きなく巡らせながら───あ、あった。
視聴覚室の隣、プレートに何も書かれていない、空き教室。
そっとドアの窓からのぞいてみると、積み上げられた机や椅子が後ろに無造作に置かれているのが見える。ざっと見渡すけれど、彼女の姿は見えない。
(やっぱり、さっきのは何かの気のせい……なのか?)
一度ドアを開けてみる。
がちゃ、と鍵の閉まっている音がして、俺は小さくため息をついた。
「……ここじゃ、ない」
でも、他に何か思い当るところなんて……。
そう思いながら、踵を返した、そのとき。



