泣いて───声を押し殺して、押し殺して、誰にも気づかれないようにとずっとしゃくり上げる、この雨を同じ涙の声。


声の聞こえるほうへ、視線を辿る。



行きついたのは、渡り廊下のすぐ先───非常階段に腰を下ろして肩を震わせる女の子が、いた。







それが、彼女───シキとの初めての出会いだった。