「おー重役出勤ですなぁ、スイ殿」

「うす」

「体調は良くなったかね」

「……まあ、そこそこ」

1-5の前では、人が結構混雑していて売り上げは上々のようだ。

手作り感満載の血の付いたカマを手に持った、花子さんが俺になれなれしく声を掛けてきて、若干身構えたが、それが凪だと気づく。


「なんで花子さんがカマ持ってんだよ」

「いやー持ちたいお年頃でさ」

「ふうん。夕雨は?」

「委員長は実行委員の仕事とか見回りがあるから、クラスにはほとんど来てないけど」


確かに夕雨は大変そうだ。気の毒に。


それからカマを振り回しながら、ニヤニヤ凪が、


「あ、なんささっき委員長と香澄くんが歩いてるの見たよーやーびっくりしたけど」


「夕雨と香澄が?」


「え、ちょ、呼び捨て」


「あ、いや、ごめん」