***
家に帰ってからの俺の行動といえば、夕雨と俺の家のちょうど真ん中にある小さな倉庫の物色だった。
コソ泥というわけでもないし、金目のものがないことは俺がよく知っている。俺と夕雨の両親は仲がいいから、こうして振る錆びた倉庫を共有して使っているのだ。
倉庫、といっても物置みたいなもので、もう使わなくなったものばかりが置いてあるのだけれど。
積み重なった埃かぶった段ボールを懐中電灯の頼りない明かりに照らしながら、俺は探していた。
香澄が言っていたこと。
シキと、夕雨は知り合いかもしれない。
もし、夕雨がシキが生きていたころに病院を訪れていたのなら、シキが記憶を思い出すきっかけになるかもしれない。
夕雨に直接は、聞けない。
また同じ失敗を繰り返すわけには、いかないから。
ならまずは些細なきっかけでもあるんじゃないかって、こうして倉庫を探しているわけだけれど。



