それのなのに、お前は、シキをいないって決めつけて。
自分だけ傷つかないようにって、逃げるのか。
俺だけじゃ、彼女を救えない。
彼女の苦しみを、彼女の痛みを、覚えていてやることが、出来ないのに。
「お前は、シキが、」
ここにいることを、信じてくれないのかと一歩足を踏み出して、言おうとしたその時。
───ぎゅっと、自分の袖が引っ張られる。
止まった。ゆっくり、ゆっくり後ろを振り返る。そこにいたのは、ほかでもないシキ本人だった。
彼女は、俺の袖をつかんでまるで俺がこれから言うことを阻止するみたいに、止めていた。



