嫌な汗がじわりと、手のひらに肘んでくる。重々しい空気に、俺はひゅうっと乾いた喉に冷たい空気を流し込んだ。 「スイ」 (また、この顔) 朝、俺が昼誰といたのか話していた時も、こんな風に夕雨は有無を言わさない口調でそういっていた。 「ねえ、スイ」 まるで、自分に言い聞かせるみたいに。 夕雨は俺をまっすぐに見て、言う。 「幽霊なんて、いないよ」 ───幽霊なんて、いないよ。 頭の中で、何度もその声がリピートされる。