あと、11分


嫌な汗がじわりと、手のひらに肘んでくる。重々しい空気に、俺はひゅうっと乾いた喉に冷たい空気を流し込んだ。



「スイ」


(また、この顔)

朝、俺が昼誰といたのか話していた時も、こんな風に夕雨は有無を言わさない口調でそういっていた。


「ねえ、スイ」


まるで、自分に言い聞かせるみたいに。

夕雨は俺をまっすぐに見て、言う。



「幽霊なんて、いないよ」





───幽霊なんて、いないよ。



頭の中で、何度もその声がリピートされる。