あと、11分



***


シキに頼まれたものをもって、俺が学校から帰ってくると、シキは門の前で一人しゃがんで待っていた。


「シキ」

名前を呼ぶと、シキはぴくっと肩を震わせて顔を上げる。俺の顔を見ると、安心したように口を綻ばせた。


早歩きで、彼女の前まで行くと、


「これ」

俺の手のひらに握っていたそれを開いて、シキに見せる。


「あ、よ、……よかった」


そっと、俺の手にかぶせるように小さな手のひらで、形が潰れてしまった小さな箱を握りしめる。


「良かった、ありがとう、あり、がとうスイ」


シキが、涙をいっぱい浮かべて目を細めながらにこりと笑ってくれた。それが、一番嬉しくて。自分が役に立てたんだと、誇らしかった。


「これから、どうする?」

「……わたし、伝えなきゃ」

「香澄のところ、行く?」

「うん」


シキが小さく頷いた、そのとき。