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シキに頼まれたものをもって、俺が学校から帰ってくると、シキは門の前で一人しゃがんで待っていた。
「シキ」
名前を呼ぶと、シキはぴくっと肩を震わせて顔を上げる。俺の顔を見ると、安心したように口を綻ばせた。
早歩きで、彼女の前まで行くと、
「これ」
俺の手のひらに握っていたそれを開いて、シキに見せる。
「あ、よ、……よかった」
そっと、俺の手にかぶせるように小さな手のひらで、形が潰れてしまった小さな箱を握りしめる。
「良かった、ありがとう、あり、がとうスイ」
シキが、涙をいっぱい浮かべて目を細めながらにこりと笑ってくれた。それが、一番嬉しくて。自分が役に立てたんだと、誇らしかった。
「これから、どうする?」
「……わたし、伝えなきゃ」
「香澄のところ、行く?」
「うん」
シキが小さく頷いた、そのとき。



