あと、11分


分からない。

分からない、これをどうシキに伝えればいいんだろう。


家がなくなっていただなんて、跡形もなかっただなんて、そんなこと、言えるのか?俺に。


思い出も断片的だけだと、シキは言った。

でも、それでも、そんなこと言ってしまうなんて。


じゃり、じゃりっ、かき分ける。爪が痛い。軍手とか持ってこれば良かった、今更ながら後悔する。


それから数十分くらい経っただろうか、そろそろ腰と手の痛さが比例してきたころ───じゃり、じゃり、じゃ。


俺の手の先に、何か冷たい感触があった。

なんといえばいいんだろう、そうだ、缶だ。