あと、11分


ぐらぐら揺らしながら、香澄はそう訴える。


「もう、姉さんには、逢えないんだ。

 俺がいなくしてしまったから、俺が姉さんを追い詰めたからっ。俺が!俺が、殺したんだ」


香澄の視線の先に、シキが立っていた。

シキは何度も何度も、香澄を止めようと引っ張ろうとするけれど、その手はするりと抜け落ちて、それでも何度もシキは止めようとする。

そして、その腕がぴたりと止まった。

何かを、思い出したように。ぴたりと。


そして、シキは顔を上げた。その表情に、俺は目を見開く。


だってシキは───




「もしも、もしも……っいるのなら……!



 いるなら、俺にも、姿を見せてよ……、シキ姉さん」




───香澄と同じように、泣いていたんだから。