あと、11分



「こ、ろ……」

殺した?

シキを、香澄が───殺した?


聞き間違えか?いや、違う。聞き間違えなんかじゃない。


確かに、香澄はそう言った。


「あはははははは、何それ。シキはいるって?はは、はは。

 姉さんがいるなら、真っ先に俺を呪い殺すのに」


「シキは、そんなこと、しない」


途切れ途切れに、俺は否定する。

あんなに優しくて、馬鹿みたいに優しくて、そして壊れるほどに脆いようで、とても強い彼女が───そんなこと、するはずない。


その否定の言葉に、香澄の顔がぐにゃりと歪んだ。片目を押さえて、見えるものからも何もかもを否定るするみたいに。




「───っっ、お前に、姉さんの何が分かるんだよ!!」