香澄は、どこに。
どこだ、どこだ、どこだ、……あ。
校門のすぐ、近く。家に帰ろうと門を出る直前の、奴の後姿が見えた。
「───おい!香澄!!」
気づいて、シキに。
祈るような気持ちで、彼に呼び掛けた。もし、こうして振りかえった時───香澄がシキを知っているのなら、視えているのなら、何か反応があるはず。
どうか、彼女を、泣かせないで。
「───何」
香澄が、振り返る。
だるそうに───俺だけに、視線を向けて、そういった。
(どうして、)
「お前、あの時の」
(どうして、)
「何、シーツならちゃんと届けたけど」
(どうして───世界は、シキを苦しめるんだろう)



