「───俺は、何度……お前を、忘れた?」
それが、聞いてはいけないことだったのだと気づくのに時間は掛からなかった。
儚く、今にも壊れてしまいそうにシキが、微笑んだから。
ずきっと、胸が痛んだ。もしかして、俺は、このセリフを彼女と出会って真実を知るたびに、聞いていたのか。それなら、俺はシキの傷を抉るような、痛みを思い出させるようなことを、聞いたんじゃ。
「……正確な数は、忘れて、しまったけれど。
そんなに、忘れたわけじゃないよ」
───嘘だ。
シキは、嘘をついている。
そんな、泣きそうな今にも声を荒らげて泣きそうな顔をしながら、それでも俺に嘘をつく。
その理由なんて考えるまでもない。



