あと、11分



***


「つまり、お前はもう、死んでしまっていて───2日と11分で記憶から消滅する、ってことなのか」


俺が確認するように、聞くとシキは一度だけこくりと頷いた。


(……記憶が、消える。消滅する、存在を消す……)


頭がパンクしそうだった。

もとよりそんなに要領のいい人間ではないけれど、もしここですんなりとはいそうですかって鵜呑みにできるほど、お人よしでもない。


でも、シキの話す口調と雰囲気からして、それが嘘ではないことだけは明らかだった。


「……なんだか、なあ」


そう言いながら頭を掻く。

現実離れしている。俺の思い描く幽霊っていうのは、ホラー映画のようなものでなくとも、触れられたりできなくて、存在自体が透けて見えたりするのだと思っていたから。