***
「もう文化祭だねぇ」
夕雨が小さくそう呟きながら、合わせた机の向こうでそっと枯れかかっている葉をじいっと見たまま目を細める。
それにつられて、動かしていたシャーペンを止めて俺も窓の外を見る。
「最近は涼しくなってきたし……、きっと今年の冬はもっと寒くなるんだろ―なぁ。
あ、おばさんに言っといてくれる?お兄ちゃんの部屋にあったこたつとストーブ、置き場ないからいるかって」
「……ん」
夕雨は、となりの家に住んでいて親同士でよく旅行とか行くような仲で家族ぐるみのお付き合いを生まれてからずっと続けている。
「今クラスの奴は何してんの?」
「お化け屋敷の壁にはる段ボール黒く塗ってるとちゅー」
「うへえ」
「スイはやる気満々だから、ぜひ広範囲をやらせてやってくれって頼んどいたから」
「……」
幼馴染は、考えていることなんてお見通しとか。
ため息が漏れそうになる。俺は仕方がなく、またレポート用紙に取り掛かった。



