……あ、れ。 なんだよ、それ。だから、シキって誰だよ。 (シキを、泣かせたくない) だから、誰だよ。 シキって、誰だよ。こんなに苦しいのも、シキってやつのせいなのか。分からない。何も、思い出せない。 何も、ない。 ───『信じて、待ってる』 頭の中に、声が響く。 それは、儚くて震えていて、でも強くて。そんな、不思議な声。 「っっ、あ、ぁ、あ」