あと、11分


香澄は呆れたようにもう一度腕を組みなおすと、綺麗な顔を一瞬弱気にさせて、それから言う。

「……でも、さっきのは一応……悪かった、と……。

 まあ、だからそのシーツ俺がもってくからアンタ寝てて。アンタ何組?」

「え、あ、5組」

「名前は」

「……スイ、だけど」


「そ」


あしらうような返事をした後、香澄は俺の近くのパイプ椅子に無造作に置かれたシーツを両手に抱えるとさっさと保健室を後にした。

力が抜けてばふっとそのままベットに倒れこむ。


白い、白くて染みひとつない天井をじっと見つめていると、


「先生これから会議あるからちょっと抜けるけど、……大丈夫?」


「……はい、安静にしてます」


これで合法的にサボれるし。まあ、いっか。

先生の足音が遠のくのを感じながら、ゆっくり目を閉じる。