まだ痛む額に手をやりながら、てきぱきとシーツのしわを直していた先生に、
「……えっと、俺は」
「あら、覚えてないの?特別棟の三階で倒れたって、香澄くんが運んできたのよ。そりゃーまあ、血相を変えて」
「……香澄、が」
「馴れ馴れしく呼ぶな」
冷たい声が降りかかる。
見ると、視線をちらりとこちらに向けた香澄が腕を組みながらそういってきた。
「あらあら。俺が襟首掴んだせいで気を失ったんだって、大慌てだったのに香澄くん」
「せ、先生……!」
くすくす笑う先生を、真っ赤な顔で怒る香澄。
「あーっと、ありがと。別に取っ組み合いで気ぃ失ったわけじゃないから。でも運んでくれてありがと、香澄」
「だから、香澄って呼ぶな」
「だって名字しらねえし。つか、覚える気もないし」
「はあ、どうぞご勝手に」



