あと、11分


***


「……い、……」


最初に力が入ったのは、腕。

そして次に感じたのは、痛み。

後頭部から全体に広がる、鈍痛のような痛み。


瞼を開けると、真っ先に飛び込んできたのは白い天井。そして、鼻につく薬品のにおい。


「あ、目覚ましたみたいよ」

声のしたほうを首だけ動かしてみると、カーテン越しで誰かがしゃべっているのが陰で分かった。


俺は何とか腕に力を込めて重たくなった体を押し上げると、

「……い、た」

「あーこらこら、まだ安静にしてなきゃ」


カーテンをしゃーっと開けて入ってきたのは白衣の服を着た、保健の先生だった。そして次に見えたのは、その後ろでばつ悪そうにそっぽを向いている香澄、だった。