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「……い、……」
最初に力が入ったのは、腕。
そして次に感じたのは、痛み。
後頭部から全体に広がる、鈍痛のような痛み。
瞼を開けると、真っ先に飛び込んできたのは白い天井。そして、鼻につく薬品のにおい。
「あ、目覚ましたみたいよ」
声のしたほうを首だけ動かしてみると、カーテン越しで誰かがしゃべっているのが陰で分かった。
俺は何とか腕に力を込めて重たくなった体を押し上げると、
「……い、た」
「あーこらこら、まだ安静にしてなきゃ」
カーテンをしゃーっと開けて入ってきたのは白衣の服を着た、保健の先生だった。そして次に見えたのは、その後ろでばつ悪そうにそっぽを向いている香澄、だった。



