「ほら、ここで自殺した奴がいるんだろ?どうでもいいけど、呪われたりとかありそうだし」
冗談交じりに、俺がそういうと、それでもなお奴は無言だった。……いや、違う。ぎゅっと白い肌から血管が浮き出るくらいに強く握りしめているのが、見えた。
黒髪が、ゆらりと揺れて。
視界の中で、ぐらりと奴が動くのが、見えた。
「……は、……い……っ」
ばふ、っと音がした。
それは、俺の手に持っていたシーツが落ちた音だと、気づくのには少し時間がかかった。
そいつは───そいつは、いきなり俺の襟元に掴みかかると、歯がきしむ音が聞こえるほどに噛みしめて、今にも俺を殺してしまいそうなほどに睨みつけてくる。
「な、んだよ……っく、」
言葉をしゃべらせないとでも言うように、襟首をぐっと強く握りしめて、彼は吐き出すように言う。



