凪はそういって、後ろの黒板を振り返る。

びっしりと書かれたメッセージの隙間を辿って、


「……ん?な、スイ」

「んん」


後ろでボーっとしていた俺を凪が手を招いている。


「なに」

「いや、ほら、これ」


凪が黒板の端のほうを指さした。なんだよ。




『白ペンキ切れたらしいから買って来ます、スイ』



そう、書かれた文字。

……あれ?

あれ、俺、こんなの……いつ、書いたっけ。