「……おは、よ……?」

「世はこんにちはの時間よ」

もうそんな時間。

視線を上げると、壁に掛けられた時計はもう12時過ぎを指していた。

周りはお弁当を広げたり、文化祭に使う黒く塗った段ボールに飾りつけをしている最中だった。


「よくもまあ、そこまで熟睡できるものね」

「お褒めに預かり、光栄の至りでございます」

「褒めてねえ。アンタ、昨日午後どこ行ってたのよ」

「……ええ、っと」


まずい。

幼馴染の視線がますます鋭くなっていく。

視線をずらしながら、俺は昨日のことを思い出す。

どうやら、サボって空き教室で寝ていたらしいということを。