「……そんなの、シキの痛みに比べたら、どうってことないっ……! こんなの、耐えられる、耐えて見せる」 シキの息が、止まった。 それから、俺の頭を撫で続けていた手をそっと下ろして俺の背中にしがみつくみたいに、ぎゅっと抱きしめてくる。 「───わたしは、平気」 震えていた。 声が、肩が、吐息すら、震えていた。 「───わたしは、平気。もう、慣れたから。忘れられることにも、触れられないことにも、慣れたから。 だから、……大丈夫だよ」