あと、11分


「───ねえ、スイ。夕雨さんは、きっとスイを守ろうと、した。

 わたしなんて、いつかは消えて、無くなるんだから。


 それなのに、スイが傷ついて、傷つき続けるのは、よくないって……分かってた、はずだから」


かばっている。

自分を、否定して俺との約束を守らなかった、夕雨を。


一番傷ついて、苦しんでいるのは、シキのはずなのに。

なんで、お前は庇うんだよ……!

お前が一番傷ついて、傷つき続けてるのに。


俺は、忘れてしまう。

彼女の痛みを知ったその記憶も、忘れてしまう。

でも、シキは覚えている。

俺が忘れてしまうことも、俺と過ごした2日と11分の時も。