……何で。
何で、どうして、気づいてやれなかったんだよ……!
どうして、泣いているシキのそばに行ってやらなかったんだよ、何で、何で、何で。
大丈夫だから、俺がそばにいるからって、お前のこと忘れたりしないって、何で。
「それから、何度も何度も、何度も、何度も、何度も繰り返した。
気が遠くなるほど、零れ落ちた涙だって枯れるくらいにどうしようもない過去を、未来を繰り返して───気づいたんだ。
わたしは、わたしの記憶は、2819分で消えてしまうって……ことに」
疲れ切ったように、閉じた瞳を開いて、そっと遠くを見つめる。
一歩、前に出た。
無責任だって分かってるのに、俺がそうさせているってことも、分かってる、俺が最初に彼女に気づかなければ、こんなにもシキを傷つけることなんて、なかったんだから。
それでも、シキにそんな顔をしてほしくなかった。



