あと、11分



先生は不思議な顔をして、それから首をかしげると、





「2日前くらいかな?古典の課題居残ってやってただろ」





───言葉が、出なかった。




どうした、とでも言いたげに顔を覗き込もうとする先生に気づいて、俺は慌てて、

「……あ、そういえば、……そうでした」


取ってつけたように、そういうと慌てて職員室を後にした。


どく、どく、どく、どく。



異様なほどに、暴れ狂う心臓が痛くて、でも足を止める余裕なんてないまま俺は廊下を歩き始める。

なんてことない、たかが1日のたったの数時間、数十分のことを忘れた、それくらいのことで何をこんなに焦る必要がある?


なのに、なんで。