世界は、シキを殺していく。 「シ……は、シキは……っ!」 いる、と言おうと口を開こうとした、その時。 「───ス、イ……、もう、いいん……だよ」 いつからだろう。 いつから、いやどこまで、見ていたのだろう。聞いていたのだろう。 視線の先に、シキが立っていた。周りの背景なんて、ぼやけて見えないのに、シキの姿だけがやけにくっきり見える。 シキは、笑っていた。必死に口元を和らげようと、無理やりに、笑っていた。 けれど、堪え切れない涙は、彼女の白い頬へと流れていく。