あと、11分


夕雨は、泣きながらしゃくり上げる俺をいさめながら、聞いてきた。



「ねえ、スイ」


「……」



「───シキって、誰?」





これが、代償なんだと思った。

これが、彼女を傷つけて傷つけ続けてきた代償なのだと。



「ぁ、あ、あぁ、ああ、」

声にもならない声が、口から洩れていく。

戸惑う夕雨が、保健の先生呼んでくるからじっとしてて!と言っていたことなどお構いなしに、俺は何度も吠えた。