夕雨は、泣きながらしゃくり上げる俺をいさめながら、聞いてきた。 「ねえ、スイ」 「……」 「───シキって、誰?」 これが、代償なんだと思った。 これが、彼女を傷つけて傷つけ続けてきた代償なのだと。 「ぁ、あ、あぁ、ああ、」 声にもならない声が、口から洩れていく。 戸惑う夕雨が、保健の先生呼んでくるからじっとしてて!と言っていたことなどお構いなしに、俺は何度も吠えた。