───『わたしと……同じ、名前があって』 頭の中で、透き通った月夜のような声が響く。……ええっと、なんだっけ。そうだ、さっきシキと図書館で話したときの記憶だ。 本に自分と同じ名前があって、それで気になって手に取ったという本の話。 ───『シキって名前が?』 ───『……う、ん。珍しいから、気になって』 ───『ああ、確かに』 次の言葉を思い出して、俺は息を呑んだ。 ───『シキって……、男の子みたいな、名前だもの』