あと、11分




───『わたしと……同じ、名前があって』


頭の中で、透き通った月夜のような声が響く。……ええっと、なんだっけ。そうだ、さっきシキと図書館で話したときの記憶だ。

本に自分と同じ名前があって、それで気になって手に取ったという本の話。


───『シキって名前が?』

───『……う、ん。珍しいから、気になって』

───『ああ、確かに』


次の言葉を思い出して、俺は息を呑んだ。









───『シキって……、男の子みたいな、名前だもの』