───『2日前くらいかな?古典の課題居残ってやってただろ』



頭の中で、ぼんやり先生の不思議そうな顔が思い浮かんだ。


昨日、そうだ、俺はレポート用紙を先生から貰って───言われたじゃないか。

記憶にない、記憶。
俺は2日前に何をしてた?

分からない。

覚えていないんじゃない。記憶が、ない。


でも、それが嘘じゃないなら。俺が本当に居残っていて。2日前に、居残っていて。


俺は、2日前───もしかして。


もしかして、もしかして。


頭の中で何かがストップを掛けているかのように、無理に思い出そうと躍起になると、頭の内側を叩くような頭痛がひどくなる。


そうだと、したのなら。

俺は取り返しのつかないことを、しているんじゃないのか。