「とにかく、今日中には完成させて提出させろって先生からのお達しだから」
「うげえ」
「私が監視役に選ばれたから」
「委員長は文化祭準備の指揮官だし、悪いからどうぞ俺のことなど後回しで」
「アンタを後回しにしていいことなんてひとっつもないんだっつーの」
午後に先生のとこ言って、ちゃんと提出する用のレポート用紙もらっておきなさいよ、ときつく俺を叱りつけると、
「夕雨ちゃーん、この間のパンフレットの話なんだけど」
遠くのほうで、数人の女子が教卓を囲んで、幼馴染の夕雨としてではなく、委員長としての夕雨を呼ぶ。
「あ、はあーい。今いくー。じゃやっときなさいよアホスイ」
「……へいへい」
ぱたぱたとスリッパの音を立てながら、夕雨が走っていく。
そんな背中を見ながら、俺は小さくため息をつく。……夕雨と話した疲れ、もあるけど───
「───お前ら、何っ?本当に付き合ってんじゃないのかよっ」
「違ぇよ」
がしっ。
隣に立っていた凪が俺の肩に腕を回してムカつくくらいにニヤニヤしながら、いつもの四倍増しでうざいくらいに絡んでくる。



