きっと、これも嘘。 彼女はどうして、嘘をつくのだろう。 どうして、本当のことを話してくれないのだろう。 俺は、手に持っていた本を棚に戻して───何気なく、声が震えないように聞く。 「───じゃあ、どうして。 どうして、誰も……シキのことを、知らない……?」 緊張で、足が震えているような気がした。 嫌な汗が噴き出して、本当は聞くのだって怖くて耳をふさいでしまいたくなる。 でも、聞かないといけない。 知らないといけない。 また、彼女を失ってしまわないように。