「───いなくなったり、しないで」 あの時、彼女がいないんじゃないかって不安に飲まれそうだった。 もう、そんな思いしたくない。 シキはしばらく動かなかった。それから、頷きもうんとも言わないでまた悲しそうな表情を浮かべて、 「……ごめんね」 そういった。 彼女は、約束をしてはくれなかった。また会える約束を、してはくれなかった。 「急に、俺の前から消えたり、しないで」 「……ごめん、ね」 欲しいのは、そんな言葉じゃない。 そんな、そんな辛い言葉が欲しいわけじゃない。