あと、11分




不安だった気持ちが全部愛おしくなる。はは、俺って単純すぎる。


「……う、ん」


彼女の肩に顔をうずめて、俺は小さく頷いた。

声が震えていて、情けないくらいにくぐもっていた。


「痛い、よ……スイ」


「……うん」


離したくなかった。

離したら、今度こそシキがどこかに行ってしまう気がして。俺はより一層彼女を抱き寄せた腕に力がこもる。


「ス、イ?

 泣いて、る……の?」


「……」


そんなこと、言うな。

せっかく、無理やり引込めてたのに。シキがそうやって言うから、ほらまた目の奥が熱くなってしまう。