触れられる。
シキに、触れてる。
それだけなのに、たったそれだけのことなのに今までの時間がずうっと長いもので永遠のような長い長い時間で。
(あ、だめだ。油断したら、泣きそうだ)
華奢な彼女の肩は、想像よりももっとほそっこくて、強く抱きしめたら壊れてしまうかもしれないのに、俺は力を緩めることなんて、出来なかった。
ようやく、見つけたんだから……離したくない。
離したら、またシキが、今度こそシキが見つけられない気がして。
「……ス、……イ?」
耳元で、俺の名前が囁かれた。
透き通ったその声は、まだ何が起きたのか把握できていないような上ずったものだった。



