あと、11分








───あ。



声にならない声で、俺は口からぽつりとそう、漏らした。

黒い艶やかな髪と、触れたら壊れてしまいそうなほど華奢な手。白く浮き立つ肌。





気づいたら、もう、止まらなかった。





「───シ、キ……っ」



触れた彼女は、びっくりするほど冷たくて。氷のように冷たくて。

でも、ちゃんと、ここにいた。