あと、11分



もしかして、あれが本当に、最後だったから?

だから、シキにはもう逢えない?


嫌だ、そんなの、嫌だ、嫌だっ。

たった一度だけなんて、嫌だ。


もっと話したい、もっとシキのこと知りたい。シキに何度だって───逢いたい。



「シキ、……シキ」


お願いだから、どんな罰を受けてもいいから、どんな苦しみだって耐えて見せるから。

……頼むから。


シキに、逢わせて。




───ドン!


誰かと、ぶつかった。

ぶつかった拍子に、俺の肘が当たったのか手に持っていたらしいたくさんの本たちが、ばらばらと廊下中に響き渡るほどの大きな音を立てて落ちていく。

それはそのこの周りを囲むように広がって、崩れていく。




「……ご、ごめんさ」


そういいながら、彼女がしゃがんで本を拾い始める。