言葉が出なかった。
正論過ぎて、嘘偽りない言葉が、胸に突き刺さる。
そう。
俺は───高校一年の春、夕雨に告白された。
告白されて、何も、返せなくてそのままずるずる知らないふりをした。夕雨のことは、嫌いじゃなかった。でも、彼女の〝好き〟は誰かを焦がれるような〝好き〟じゃなかった。
振れば良かったんだと思う。お前のことは、幼馴染として好きけれどそれ以上もそれ以下の気持ちはないって。
でも言ってしまったら───彼女との関係は今のままではいられない。
いつも飽きもせず、世話を焼いてくれるお節介な幼馴染。もし振ってしまったら、きっとそのままではいられなくなるから。
ずっと、知らないふりしてた。
声を振り絞って、
「……ごめん」
「それはどんなごめん?」
「……分からない」
「都合のいい話だね」
自分もそう思う。
都合いい時だけ頼って、都合の悪いときは突き放す。横暴だと思う。



