「・・・わかった」
抱きしめていたら、小さな声がした。
でも、しっかりと聞こえた如月の声。
「ありがと」
俺は、ギュッと抱きしめてから離した。
「…あ」
そんな声を出して、如月は、真っ赤になった。
「…ぷ…どうしたの?
離されて、さみしかった?
まだ、抱きしめて欲しいの?」
そう聞くと、如月はさらに真っ赤になった
「…ほ…ほら授業終わっちゃうよ!」
「ぷ…今さらそんなこと言っても」
如月は、驚きながら窓の外を見た。
「うっそ」
絶句している如月に、俺はカバンを目の前に置いた。
実は如月が、寝ている間に木島が如月の分と俺の分のカバンを持ってきてくれた。
「お〜い。そろそろ帰ろうぜ」
そう言って、如月と一緒に帰った。
帰えっている途中に、俺はこっそり如月の手を掴んだ。
如月は、緊張しているのか、下を向いたままだった。

