(別に、悲しくなんかない。
だからもうホッといて)

心の中では、思っていたけど、言葉にはできなかった。

「なぁ、お前別に人を頼っていいんだぞ」

「・・・何言って…」
高野は全部を見透かしたかのように言ってきて焦った。
いつもなら、ここで高野が、笑うのにずっと真剣な顔をしている。

「・・・別にあんたには関係ない」

(どうせ、あなたも同じなのだから)

このままじゃ、全てを話してしまいそうで怖かったから、私は高野から逃げるように、ガバンを持って教室を出た。

「ハァ…ハァ」

高野は追いかけてこなかったけどなぜか、私の足は止まらなかった。
それで、いつもよりはやく家に着いてしまった。

(こんなにはやく帰るつもりはなかったけど)

「・・・」

私は、こっそりドアを開けた。

(・・だれも、いない)
私は、ホッとして、すぐに二階の自分の部屋に行った。

「・・・つまらない」
家に居ても、本当につまらなかった。

「これも、全て高野が悪い…」
そう言って私は、このつまらなさを高野しえにした

「・・・バカだな私。なに考えてるんだろ、別にあいつは関係ないのに」
そう私は自分の考えさに呆れた。

「・・・高野勇士、お前もきっと私の過去を言ってしまったら、お前私の前から消える、それくらいもう学習した…」

「でも、あいつのおかげでつまらない毎日がつまらなくはなかったな。
ありがとー」

私は、だれもいない中で独り言を言った