他二名の回答はスルーし、私は流星の回答ページを血眼で探した。
今まで流星に告白しようと思った瞬間以上に心臓がバクバクしてしまう。雑誌を握る手にも汗がにじんできた。
流星は、それぞれの質問にこう答えていた。
《好きな女性のタイプは?――笑顔の素敵な女性です。
初恋の思い出は?――小学生の時でした。幼なじみの女の子です。
理想のデートはどんなもの?――秋葉原で一日中アニメグッズを見て歩くのもいいですね(笑)嘘です、遊園地で観覧車に乗ってロマンチックに夜景なんかを見たいです。
告白されて断る時は何て言う?OKする時は?――今は仕事に専念したいのでごめんなさい、と言いますね。これ、かなり本気なんですけど。なので、今は誰の告白も受けないです。》
……がぼーん。心の中で、思わず変な声を出してしまった。
そんなぁ……。流星、今は誰とも付き合う気ないんだ。ホッとしたけど、軽くショックかもしれない。
それに、一番引っ掛かったのは初恋の思い出に関する話だ。幼なじみの女の子って、誰??私以外にいたっけ?
昔、話の流れでさりげなく流星に訊いてみたことがあった。好きな人はいる?って。そしたら流星は、たしかに『いない』と答えた。


