「俺の載ってるページ、あんま見ないでくれる?」
「……う、うん」
「ま、興味ないとは思うけどさ」

 アニメでシリアスなシーンを演じる時みたいな声音で、流星は言った。

 興味なくなんかない。
 流星は、私に好意を持たれてるなんて夢にも思ってないんだろうな。それに、そうやって隠されるとよけい気になる。



 それから少し話した後、流星は立ち上がる。

「じゃあ、もう行くな。鍵ちゃんと閉めるんだぞ」

 そう言い、私の頭をポンポンとたたく。
 
「ヨーグルトごちそうさまっ。おやすみっ」

 玄関先で流星を見送り彼の姿が夜道に消えたのを確認すると、私は急いで自室に戻り流星の言っていた『見てはいけないページ』を見た。

 《人気声優の赤裸々告白!》そんなタイトルの横に、流星と他二名の声優の顔写真。ページの下半分には細かい文字がビッシリ並んでいた。それぞれの声優さんのインタビュー回答欄だと、わかる。

 好きな女性のタイプは?初恋の思い出は?理想のデートはどんなもの?告白されて断る時は何て言う?OKする時は?

 インタビューの質問はファンのために聞いたと思われる気になる項目ばかりだった。