『ミユのこと、俺の勝手で傷付けたくない。今でも自分が許せないんだ。もっと、大きな男にならないと……。それまでは……』
「流星、待って……!」

 今にも電話を切ってしまいそうな流星を、私は必死に引き止めた。

「私には、働いてる人の苦労とか分からないけど、でも、流星に八つ当たりされても仕方ないっていうか……。流星は悪意で傷付くようなこと言う人じゃない、それは分かってるから……」

 言いたいことはたくさんあるのに、うまく言葉が浮かばず気ばかり焦る。落ち着きたいのに、唇も腕も、ガクガクと震えた。流星と、離れたくない!

「私、私ね、流星のこと……」

 好きだと言いそうになってしまう。まるで、私の言葉に続きを付け足すように流星は言った。

『好きだ。ミユ』
「えっ?」
『ずっと好きだった。だから、次ミユに会ったら、もう、色々我満できないかもしれない』
「うそだぁ、ははは」

 予想していなかった。まさか、流星に告白されるなんて……。笑ってごまかすことで、私は動揺を隠す。

 ずっと待ち望んでいたことのはずなのに何て言っていいのか分からなくて、私は自分の気持ちが言えなくなってしまった。一気に色んなことが起こり過ぎている。