流星から届いていたメール。それは、私を責めたり否定するようなものじゃなく、私がよく知るお兄ちゃんぽくあたたかい内容だった。
そうだよね。避けてるだけじゃ何も変わらない。片想いだけど、流星は永遠に私の大切な人だから。
どんな気持ちでメールや電話をくれたのか、それは流星本人にしか分からないけど、ひとつひとつの文字に流星の誠実さが宿っているように感じ、私は自分の幼さを後悔した。
まだ、間に合うはず。
深呼吸をして流星に電話をかけようとした。スマホ画面に映るのは、一生記憶していられる自信がある電話番号。
思いきって発信ボタンをタッチしようとすると、タイミング良く着信音が鳴る。ビックリして床にスマホを落としそうになった。流星がメインボーカルをしているアニメ曲のサビ部分が部屋に満ちた。
「うそ……!」
着信音を鳴らしているのは、流星だった。同じ時間に同じように電話をかけようとしていたなんて、なんか運命的だなぁとノンキなことを頭の片隅で考えながらも、緊張のせいでドクンドクンと大きく鳴る心音。
「はい……」
平静を保ったつもりなのに、やっぱり恐怖心が先立ち私の声は震えてしまう。


