声を聞くたび、好きになる


 それから何度か起こそうとしたけど、流星は起きそうになかった。

 どうして、こんな時間にウチに来たんだろう?もしかして、今日私が一方的に電話を切ったことを気にして……?

 流星は昔から面倒見がいいもんね。他の人だったらあきれるようなワガママも、流星は笑って聞いてくれる。

 だから私は、図々しいくらい流星に甘えてしまってると思うし、ささいなことでスネたりもする。

 流星は雑誌のインタビューで笑顔が素敵な女性が好みって答えてたけど、私と流星の理想はほど遠いなと思う。スネたりワガママ言う時の私はだいたい笑ってなんかいないもんね……。


 起きそうにないとはいえ、さすがに流星をこのままにしておくわけにいかないよね……。

 毛布か何か、かけてあげよう。

 クローゼットを開け、普段使っていないタオルケットを持ってきた。

 起こしてしまわないよう、それをそっと流星の体にかけようとすると、

「……ミユ??」

 流星が目を覚ます。

 特にやましいことなんて何もないのに、ドキッとしてしまった。このタイミングで起きるとは思ってなかったから。