声を聞くたび、好きになる


 海音が私のことをどう思っているか。秋吉さんとどういう関係なのか。

 そんなことは、直接本人に訊かなきゃ分からないこと。

 流星の件で、確かめるってことの大切さを知ったはずなのに、また同じ間違いをするところだった。流星が同級生の女性と一緒に居るところを見て、私は勝手に誤解した……。

 自分が傷付く結果ばかりを予想するクセがついていたんだ。

 ううん。今回は、予想なんてなまぬるいものではなく鋭利な真実にぶち当たるのかもしれない。海音と秋吉さんは親密そうだったから。

 それでも、いい。選んでもらえなくてもかまわない。

 海音が他の女性に特別な感情を抱いているのだとしても、私は海音が好き。大好き――!

 このまま終わりたくない!

 一方的に絶交メールを送りつけたから、海音にはもう呆れられているかもしれないけど……。

 あの男の子が先生に恋する姿を見て、前向きさをもらった。今なら何でもできる!


 電車の座席に座るなり、さっそくスマホの電源を入れたけどすぐに落ちた。そういえば、おとといから充電していなかったし、電車に乗る前、海音からたくさんの着信を受けたのだった。

 電池切れしたスマホとは真逆で、私の気力はなみなみと満たされている。


 充電の切れた、真っ黒の画面。自宅の最寄駅に着くまで、何度もスマホの画面を確認しては焦(じ)れる気持ちをなだめた。

 少ない乗客を乗せて、電車はようやく最寄駅のホームに到着した。

 小走りに階段を移動し、改札を抜ける。

 家を目指してひたすら走った。焦るほどに、汗が流れる。全身がぐっしょりして気持ち悪い。

「……!!」

 もうすぐ終電も出てしまう。こんな遅い時間なのに、家の前には人の影があった。