声を聞くたび、好きになる


 今は妹扱いされてるけど、いつか私のことを意識してくれる日が来たらいいな。

 そう思っていたけど、それは叶わない……。

 インタビュー記事を読んで、私はますます流星に距離を感じた。こんなに、遠かったっけ??


 落ち込んだ時はイラストを描くに限る。

 流星が収録でスタジオにいるだろう時間、私はパソコンに向かってオークション出品用のイラストを描こうとした。でも、なんだか気分が上がらない。

 重症だ……。

「流星が足りないよぉ……。はぁ」

 何言ってるんだ、私は。

 気分転換すらしそびれる。こんな気分の時は何をやってもうまくいかないんだ。

 イラスト作製画面を閉じ、検索画面を表示させる。
 
 《小野流星》と入力し検索ボタンを押した。よく知るはずの幼なじみの名前をネットで検索して調べるなんて、なんか変かもしれない。そう思いつつやめられなかった。

 《小野流星の検索結果 300058件》

 前より増えてる……。

 流星が声優デビューしたばかりの頃は二、三件しかヒットしなかった。しかも、それらの検索結果に表れたブログ記事等はみんな、人気中堅声優のことをメインに綴ってあって、流星のことはついでに書いたーみたいな感じだった。

 そんな時代があったなんてウソみたい。今は、流星のファンを名乗るアニメファン達がここぞとばかりに自分のブログで流星自慢をしている。