高校に入学して間もなく、

Mという友達が出来た。



SEX話とリストカットが好きな

少し危ない女の子だったけど、

不思議と意気投合。

いつも、一緒にいた。



だから、私の彼氏って、

秀樹んちに連れてったんだ。



みんなで、楽しく話して

ゲームして、その日は終わった。



それから月日が流れて

何の相談もなしにMはいきなり

自主退学。



寂しくなったよね。

家は近くなかったし、仕事を

始めたMとは疎遠になってった。

携帯なんて持ってない時代だからね。



で、Mがやめた途端、周囲に異変。

最初はMと共通の先輩。



衝撃の暴露。



『M、お前の彼氏と

ヤッたって自慢してた。

口止めされてたから、

今まで言えなかったけど…。』



「自慢って…それ皆、知ってるの?」

『お前が休んだ1年の交流合宿の場で

夜、皆の前でお前の彼氏に電話して

ラブラブ会話してたって。

でも、皆、口止めされてたから、

言えなくて。』



確かに、休んだ、

秀樹が行くなって言ったから。



え?

私、休ませといて自分は

この仕打ち???



行ってたらMは、そんなこと

出来なかった。



悔しいやら、情けないやら。

何も知らずに、周りに秀樹のこと

ノロけてたんだから。



さぞかし、間抜けだった事でしょう。



皆から、細かく聞いた。



Mが高校辞めたとなっては、

皆、ペラペラしゃべってくれた。



初めて会わせた、あの時、

私がトイレに行ってる間に、

秀樹の方からTEL番渡したらしい。



そして、それにMが電話して…

Mんちで遊んだ。

二人で格闘系のゲームしながら

勝ったら言う事1つ、きくみたいな。



秀樹のゲームの腕は、かなりの

ものだったから、勝敗の行方は

お互いに解ってたと思うんだ。



で…SEX。



もう、嫌な想像に頭の中、支配されて…

秀樹に問い詰めずにはいられなかった。



彼はそれを認めて…

何も悪びれず開き直ったから…



もう、死にたくなったんだ。

家にある適当な薬を

勢いよく飲み始めた。



秀樹はウンザリした表情で…

大して止めなかった。



辛くて、怖くて、でも引き返せなくて。

飲み続けた薬が50錠を超えた頃、



秀樹が止め始めて…

友達が心配して駆けつけて…



皆で無理やり薬を吐かせようと

するから、私、余計怖くなって…



逃げ出したんだ。

『頼むから走るな!薬が、回る!』



長い夜が、明けようとしていた。