それからも数回、ひろくんと遊び
1度はホテルに泊まって
またHもした。

その頃は、私はもう
ひろ君に夢中で、毎日
彼の事ばかり考えていた。

どこから伝わってきたか忘れたけど

ある日、ひろ君が入院したと…。

蓄膿症という膿がたまる
鼻の病気で、手術が必要だという。

私は、友達に病院を聞いて、
お見舞いに行った。

暇だ、暇だ、という
彼のために、彼の好きな
当時、人気だったバンドのCDを
たっぷりと適当な物を買って…。

パジャマ姿でも、相変わらず
彼はクールで、屋上で二人で
話しながら、同じタバコを吸った。

もう何日かで手術だという彼が
どこか、心細そうに見えて…

私は「お守り」なんて、
自分の胸に約4年間
付けっ放しにしてた高価な24金の
コインのネックレスを…

彼の首に付けたんだ。

それは、3才の時に離婚して
離れて暮らす父が私に買って
くれた物で、本来、私自身の
お守りだったんだ。

人に触らすのも嫌で避けてた。

とてもとても大切な宝物で…
肌身離さずだったのは
ひろ君も知ってたから
最初は遠慮ぎみに戸惑ってたけど

「手術が無事、終わったら、
必ず返して?私の代わり。
握りしめたら、落ち着くから。」

なんて言うと、「ありがとう」って
優しく微笑んだ。

帰り、送ってくれた
エレベーターの中で二人きり…
帰りたくないな、離れたくないな
なんて思ってると、
あっという間に一階に到着。

開いて出ようとした瞬間、
ひろ君が閉ボタンを押して
閉めたから「何しよん~」って

振り返ったら、密室キス。

漫画みたい(笑)

やっぱり好きだ!!

数年ぶりに軽くなった胸元に…
自分自身のお守りと、しばし
お別れしたあとに…少しも
不安がなかった訳じゃないけれど

それで少しでも彼が救われるならば

と、純粋に捧げたネックレスは…

その後、波乱を招く事となる。