大輔は、元々、地元からすんなり
私のところへ来れたわけではなくて

父親の激しい反対を押しきって
無理矢理、こっちへ来たわけだから
帰ってこいコールは度々あった。

しばらくたった私は、大輔の浮気に
疲れて、うんざりで…
愛想がつきかけてた。

だから…また大輔の父親が、
しつこく帰ってこいと
電話してきたとき私は
「いいよ、帰れば?」と、促した。
仕事もやめて、なくなってたし。

そばにおいても、遠くにいても
同じ…浮気するんだ、こいつは。

大輔は「離れても大丈夫だから。」

なんて、調子の良いこと言ってたけど
私は多分、信じてなかった。

ある程度の覚悟を元に、彼を一人
地元へ帰らせた。手放した、とうとう。

数週間後…
案の定、浮気発覚。

私は浮気相手に会いに地元へ
帰る。いつものパターン。

結婚の約束。

いつもと違うこと。
冷静な私。

もう殴りも話し合いもしなかった。

呼び出したら、友達連れてきてた。

拍子抜けする程、チンチクリンな女。

髪は剛毛、癖毛、手入れなし。

顔もスタイルも冴えない。
オマケに服も小汚ない。

それが逆に良かったのかな、
私の神経逆なですることなく

「お似合いよ、あんたら、
いいよ、あげるよ。好きにしな。」

不思議とスッキリした。

全く心が傷まなかった
訳じゃないけど…これで良かったんだ。

そう言い聞かせて…地元の
県とは、とりあえず、オサラバ。

大輔がいなくなったら、
当分、帰る理由もないでしょう…。

ここからが、大学のために
他県で独り暮らしを始めた私の

本当の意味での新しい
スタートだったんだと後で
思う。それでも、やっぱり
私には恋は必要不可欠だったんだ。