大輔の地元の駅について
とりあえず車もちの友達を呼び出した。

急な帰省に驚いていたが理由を
話すと快く出てきてくれた。

大輔とバイト先の女、恵(めぐみ)を
二人一緒のところで
捕まえたかったから、まだ知らせず

夕方にバイト先で張り込んだ…が
どうやら、二人は
帰ってしまった後のようで…

チャリンコ2ケツのアイツらに
車で駅に先回りした。

恵は電車で1駅のところだから、
二人は駅に向かったはずなんだ。

駅で友達と待っていたら
楽しそうに話しながら
二人乗りの自転車が来た。
だんだんと近づいて、
私に気付いた時、大輔は
ヤバっ、みたいな顔をした。

私は二人を駅の隅に呼び、
とにかく大輔を殴った。

恵がとめに入る、それすら
鬱陶しい。

気が付けば二人に土下座させていて
言いたいこと怒鳴った私に
友達が落ち着きな、とジュースを
差し出したんだ。

飲んでる途中で二人がまた、
気にさわることを言ったから、

今度は缶を投げつけて、また怒鳴る。

頭をあげろといっても
『許してもらえるまでは、』と
粘る恵にムカついて
「良いから、顔をあげろ」と
蹴りあげる。

大輔は、もうビビり状態で
私の言いなりだ。

電車が来た。

『これ乗らないと親に怒られるんで。』
恵は、そう言った。

親に怒られる?
何を言ってるの、コイツは…。

私は授業もバイトも放置して
決着つけるために帰ってきたのに…

アンタがタンカを切ったから…

「アンタが帰ったあとも私は大輔を殴るよ?
それでも良いなら帰りな?
もう、会わないでね、バイバイ」

彼女は電車に乗ることを選んだ。

1人残ったうつむいた大輔に
「どうする?」って聞いたら

『もう良いよ。アイツの気持ちは
よく、解った。
マーヤ、自分ち帰れんのやろ?』

「そりゃ、帰ったら親、驚くよ。
大学ある日やもん。」

『じゃあ、うち、帰ろ。』って…

私は友達にお礼をいって…
大輔と一緒に、大輔の家に帰ったんだ。

久々会って、結局、取り返して…

でも彼が他の女になびいた事実、
やった真実は消えなくて…

それでも別れられない自分が…

本当は一番、怖かったんだ。